仮想通貨の税金は、たった3つのポイントを押さえておけばOKです。
STEPNの税計算エクセルの公開や、仮想通貨の税金に関する記事を多数書いてきた筆者が、そこで得た知見をこの記事に集約します。
税金の専門家目線ではなく、仮想通貨ユーザー目線で記事を書きますので、税理士さんが書いた記事よりすんなり頭に入ってくると思います。
この3つさえ押さえておけば、仮想通貨やNFTの税金は、ほぼほぼクリアです。
正直、よほどのことが無い限り、有料サービスや税理士事務所は必要ありません。
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免責
筆者は税理士などの国家資格は持っていません。
国税庁の「暗号資産に関する税務上の取り扱い」を主に参照して当記事を書いていますが、税務署からの指摘に対して責任を負える訳ではありません。
不安に思うところは、事前に税務署や税理士に相談してください。
所得のタイミング(4つ)
まずは、所得のタイミング
仮想通貨の所得が発生するタイミングは次の4つです。
この所得のタイミングがわかっていれば、どのような行動が、どの段階で、どれくらいの税金が発生するのかが把握できるようになります。
1.仮想通貨を売ったとき
まず最初は、最も基本的な所得タイミング「仮想通貨を売ったとき」です。
計算式は以下の通り。
所得 = 売却金額-売却原価
この仮想通貨を売った時が仮想通貨の税金の全てのベースとなります。
2.仮想通貨から仮想通貨への交換時
所得タイミング2つ目は、仮想通貨どうしの交換です。
例えば1BTCで10ETHを買うなどの取引が該当します。
この場合の税計算は次のように分解されます
- 1BTCを130万円で売却した。
- その130万円で10ETHを買った
※1BTC=130万円/1ETH=13万円
1で1BTCを売却しているので、ここが所得となり課税対象です。
仮にこの1BTCの原価が100万だったとすると、30万円が所得となります。
(売却金額130万円-原価100万円)
仮想通貨と仮想通貨の交換は、具体的には下のように、取引所でBTCでETHを買う取引や、NFTゲームで仮想通貨どうしを両替する取引などが該当します。
税制上は、ステーブルコインも通常の仮想通貨扱いなので、USDTなどのステーブルコインもBTCなどと同じように、通常の仮想通貨として管理します。
3.仮想通貨で買い物をしたとき
所得タイミング3つ目は、仮想通貨で買い物をしたときです。
例えば「1ETHでNFTを買う」などの取引です。
この場合の税計算は次のように分解されます
(1ETH=13万円)
- 1ETHを13万円で売却した。
- その13万円でNFTを購入した
1で1ETHを売却しているので、ここが所得となり課税対象となります。
■仮想通貨での買い物例
4.マイニングしたとき
所得のタイミング4つ目は、仮想通貨をマイニングしたときです。
マイニングした時点で所得となり税金が発生します。
このマイニングに関しては、他の記事ではあまり触れられていません。
が、STEPNなどNFTゲームやレンディング・ステーキングもここに関わるので、重要度は低くありません。
計算式
所得 = 取得した数量 x 価格
価格は「Coinmarketcapの終値」など、基準を統一していれば問題ありません。
この日はCoinmarketcapの終値で、この日はCoinGeckの始値などはNG
マイニングと同様に扱われるもの
以下のものはマイニングと同様に扱われます。
- レンディングやステーキングの金利
- NFTゲームでもらえる報酬
NFTゲーム、STEPNで走ってもらえる仮想通貨もマイニングとして扱われるので、ゲットした時点で課税対象になります。
計算式は「所得 = 数量x価格」でしたね
マイニングとは
仮想通貨を発掘すことをマイニングと言います。
マイナーは、高性能パソコンを24時間フル稼働させ、ブロックチェーンの計算処理をすることで、仮想通貨のマイニングをしています。
マイニングは「仮想通貨を生み出すこと」ともいえるので、レンディングやNFTゲームで仮想通貨を得ることもマイニングに該当します。
>>国税庁の「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)(令和3年12月)」
※10ページ目にマイニングに関する記載があります。
※閲覧するにはPDFの閲覧環境が必要です
まとめ:所得のタイミング
仮想通貨の所得のタイミングは以下4点でした
この所得タイミングを理解することで、どのような行動が、どの段階で、どれくらいの税金が発生するのかが把握できるようになります。
仮想通貨の税金の失敗は、大半がこの『所得のタイミングを知らなかったから』が原因のようです。
【失敗例】仮想通貨の税金
『所得のタイミングを知らない』が原因で、実際におきてしまった失敗例です。
どれも『仮想通貨どうしの交換も所得のタイミング』と言うことを知っていれば、未然に防げた事象ばかりです・・・
全て日本円に換算する
押さえておきたポイント2つ目は「全て日本円に換算する」です。
これは、仮想通貨どうしの交換や、仮想通貨による買い物などは、いったん日本円に換算して税計算するということです。
前の章でも少し触れましたが、ここではより突っ込んで解説します。
【具体例】仮想通貨から仮想通貨への交換
下のようなタイムラインがあったとします。
- 2023/1/11BTCを100万円で買う
- 2023/8/1(1BTCが1億円に値上り)
- 2023/8/21BTCで10ETHを購入(1BTC=1億円、1ETH=1千万円)
これを全て日本円換算します
日付 | 数量など | 区分 | 日本円価格 | 所得 |
---|---|---|---|---|
2023/1/1 | 1BTC | 購入 | 100万円 | |
2023/8/2 | 1BTC | 売却 | 1億円 | 9,900万円 |
2023/8/2 | 10ETH | 購入 | 1億円 |
8月2日の仮想通貨どうしの交換は、100万円で買った1BTCを1億円で売却しています。
所得は9,900万円となり、納税するのに5,000万近い現金が必要なのがわかります。
(所得4000万円以上の税率は55%)
このように、所得タイミングを理解していて、税計算を全て円換算することで、現金不足などのリスクを、早い段階で把握することができます。
【具体例】仮想通貨による買い物
次は、仮想通貨による買い物の具体例として、下のようなタイムラインがあったとします。
- 1/1(日)10万円で1ETH取得
- 1/2(月)1ETHのNFTを買った(1ETH=11万円)
- 1/3(火)そのNFTを2ETHで売却した(1ETH=12万円)
これを日本円換算します。
日付 | 数量など | 区分 | 日本円価格 |
---|---|---|---|
1/1 | 1ETH | 購入 | 100,000 |
1/2 | 1ETH | 売却 | 110,000 |
1/2 | NFT | 購入 | 110,000 |
1/3 | NFT | 売却 | 240,000 |
1/3 | 2ETH | 購入 | 240,000 |
記帳する際はアセットごとに分けて記帳したら管理しやすいです。
■ETH
日付 | 区分 | 数量 | 日本円価額 | 所得 |
---|---|---|---|---|
1/1 | 購入 | 1 | 100,000 | |
1/2 | 売却 | 1 | 110,000 | 10,000 |
1/3 | 購入 | 2 | 240,000 |
■NFT
日付 | 区分 | 数量 | 日本円価額 | 所得 |
---|---|---|---|---|
1/2 | 購入 | 1 | 100,000 | |
1/3 | 売却 | 1 | 240,000 | 140,000 |
この一連の取引での課税対象となる所得は赤文字の15万円となります。
(ETH 1万 + NFT 14万)
雑所得の特徴(3つ)
所得のタイミングと、その税計算を全て日本円換算するということをマスターしておけば、仮想通貨の税金に関してほぼクリアしたようなものです。
さらに、仮想通貨の所得の種類である雑所得の特徴をおさえておけば、より強固なリスクヘッジになりますので、ここをどこよりも簡単に分かりやすく解説します。
■雑所得の特徴
この3つだけおさえておけばOkです。
順に解説します。
損益の通算ができない
これは、違う種類の所得と、損益の通算できないということです。
例えば、仮想通貨の損失が▲100万、株式の利益が+100万の場合、損益通算してゼロには出来ず、株式の分は株式の分として納税しないといけないと言うことです。
当然、給与所得とも通算できないので、会社で源泉徴収されている所得税は、仮想通貨で損しているからといって、年末調整や確定申告で返ってくることはありません。
損失の繰越しができない
仮想通貨の損失は年またぎの繰越しができません。
例えば2022年▲100万の損失、2023年+100万の利益の場合、2022年の損失を繰り越すことができず、2023年は2023年として+100万に対する税金を払わないといけません。
■具体例
- 2023/1/11BTCを100万円で買う
- 2023/8/1(1BTCが1億円に値上り)
- 2023/8/21BTCで10ETHを購入(1BTC=1億円、1ETH=1千万円)
このタイムラインの場合、下の表のように9,900万円の所得なので、約5000万円の納税が発生することを先述しました。
日付 | 数量など | 区分 | 日本円価格 | 所得 |
---|---|---|---|---|
2023/1/1 | 1BTC | 購入 | 100万円 | |
2023/8/2 | 1BTC | 売却 | 1億円 | 9,900万円 |
2023/8/2 | 10ETH | 購入 | 1億円 |
現在、1000万の価格が付いているETHを10持っている状態ですが、この価値が10分の1の100万円まで下がった場合、年内に損切りするのと、年を越して損切りするのでは、納税額が大きく変わります。
■年内に損切りした場合
- 年内の損失 = ▲9,000万円
- 年内の利益 = +9,900万円
- 損益 = 900万 → 約400万の税金
(税率:所得税33%+住民税10%)
■年を越してから損切りした場合
- 年内の利益 = +9,900万円
- 年内の損益 = +9,900万円 →約5,500万の税金
(税率:所得税45%+住民税10%)
利益も損失も年またぎが出来ないので、例の場合、損切りを年内にするのと年越しにするのとでは、5000万円以上の差が生じます。
含み損はその年に確定しておくと納税額が減る可能性が高いので、節税対策として検討の余地ありです。
必要とあらば、年内に売ってすぐ買い戻す方法もある
総合累進課税
雑所得の特徴の最後は、総合累進課税ということです。
給与所得など、他の所得と合算される総合課税で、なおかつその所得が増えれば増えるほど税率があがる累進課税という意味です。
税率などは、下の国税庁のホームページをご参照ください。
「所得が増えれば税率も増える」ということだけ知っていればOK
実際に税額をシュミレートするには次の章が便利です。
納税額をシュミレーションしたい場合
実際の納税額を算出したい場合、所得額や税率から計算するよりも、国税庁のツールを使ったほうが、より確実で正確な金額を出すことができます。
これは、国税庁が提供する「確定申告書の作成コーナー」を納税額計算機として使用する方法です。
控除や源泉徴収など、税金にかかわる様々な要素を全て計算してくれるので、どんな有料サービスより確実で正確です。
利用するツールは次の2つです。
- 暗号資産の計算書
- 確定申告書等の作成コーナー
確定申告書を作らなければ良いだけなので、確定申告書作成コーナーを計算機代わりに使用するのは全く問題ありません
暗号資産の計算書で損益算出
まずは、『暗号資産の計算書』で損益金額を算出します。
暗号資産の計算書は、画像のピンク色箇所を打ち込めば、損益が自動計算されるようになっています。
確定申告書等の作成コーナーで納税額算出
暗号資産の計算書で算出した損益を、確定申告書等の作成コーナーに打ち込むことで、納税額を算出します。
下の記事に、やり方の詳細がありますので、ご参照ください。
>>【仮想通貨の確定申告】元サラリーマンの自分でもできた|書き方・やり方
まとめ
この記事では、仮想通貨の税金で押さえておきたい『3つ』のポイントをお伝えしました。
この基本がわかっていれば、『知らなかった』ことにより発生する追徴課税などのリスクを未然に防ぐことができます。
特に間違いやすいのは「仮想通貨どうしの交換も課税対象」というところなので、どうか忘れずにいてください。
■■元手100万の支払手数料の比較■■
これは、100万円の元手でスタートした場合の、各社に支払う手数料の比較です。
忖度を全て排除し、徹底的にユーザー目線で作った比較表です。
完全無料なのはBITPOINTだけ
web広しと言えど、なかなかこんな表は無いはず。
詳細は下の記事で確認できます。
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この記事は以上です。
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