イーサリアムの特徴とビットコインの違いは前回の記事でご紹介しました。
前回記事→イーサリアムっていったい何なの?ビットコインと何が違うの??
イーサリアムに期待している人は世界中にいて、124億ドルを運用するARKインベストは「イーサは10年以内に17万~18万ドルになる」と予測しています。現在1ETHが約3000ドルですので、10年以内に今から約56倍になる計算です。
イーサリアムに期待する大きな理由としてDefi(ディファイ)やdApps(ダップス)に代表される「プラットフォームとしての活用」があげられますが、ならばそのイーサリアムの「課題」は何なのでしょうか?
今回はイーサリアムにが抱える「課題」から「今後の展開予定」、さらには「価格予想」までをまとめてみようと思います。
イーサリアムの課題
- ガス代
- イーサ・キラーとの競合
1.ガス代
イーサリアムの問題と言えばまずはこれ。「ガス代問題」です。
「ガス代」とは簡単に言うと「送金手数料」みたいなものです。国内取引所で買ったイーサリアムを海外の取引所の自分のアカウントに送る場合の手数料であったり、メタマスクなど自分のウォレット(ネット上の財布)に送る場合の送金手数料のことを「ガス代」と言います。
「手数料」は銀行に払われるのではなく、仮想通貨の場合は「マイナー」と言う、「イーサリアムを生み出している人」に報酬として払われます。
ガス代が高騰する理由
そのガス代が高騰する原因は主に3つあります。
①基本料金の高騰
基本料金は、ネットワークの混雑具合によって変化します。要はガス代も需給バランスがあるってことです。銀行だと送金手数料は「一律220円」とかだったりしますが、仮想通貨の世界の送金手数料「ガス代」は需要が高けえれば上がるし、低ければ下がります。
ネットワークが混んでる時期や時間によって変わってきます。需要が多いってことはつまり相対的に供給が少ないってことで、マイナーがその分頑張らないといけない。なので手数料も上がるってことです。
②チップがかかる
さらに、マイナーが受け取る「ガス代」の中にはチップ代も含まれます。マイナーは「送金」の手続きを「早いもの順」に片づけるのではなく「チップの高い順」に片づける権利を有します。
つまり、チップを多く払った人の送金は早く済み、チップをケチった人の送金は後まわしにされるってことが実際にあるみたいです。
③イーサリアム自体の値上げ
「ガス代」はイーサリアムで支払われます。
口座に5Ethあってそれを全部送金したいとしましょう。ガス代が0.02Ethかかった場合、実際に送金されるのは4.98Ethで、0.02Ethが「ガス代」として「イーサリアムのまま」マイナーに支払われます。
現在は下げ相場ですので0.02Ethは約6000円ですが、2021年11月頃は1Eth=55万でしたので、0.02Ethは11000円していたことになります。
Defi(ディファイ)をするために自分のメタマスク(ネット上に財布)に国内取引所から50万円分のイーサを送ったら、ガス代で6000円くらい取られてもうた、、、なんてことが実際にあるみたいです。銀行手数料と比較してしまうと激高な感じがします。
このように、イーサ建てでマイナーに支払われる「ガス代」は、イーサの金額が上がれは、当然、相対的に値上がりするということです。
ガス代の2021年の推移です。Defi(ディファイ)ブームでイーサが大規模に動いた4月頃に高騰し、その後のブームの沈静化で波が静かになったのがわかります。「ガス代」はこのように、マイナーの「煩雑度」で上下します。
2.イーサ・キラーとの競合
イーサリアムが抱える課題の2つ目は「イーサ・キラーとの競合」があげられます。
「イーサ・キラー」とは、イーサリアムのライバル的な存在の仮想通貨です。
ポリゴン(MATIC)、アバランチ(AVAX)、ソラナ(SOL)、テラ(LUNA)、カルダノ(Cardano)などが代表的なトークンとしてあげられます。
これらのトークンはプルーフ・オブ・ステーク(後述)と言うアルゴリズムを使用することで、ガス代の高騰という課題をクリアしており人気を集めています。
市場規模はイーサリアムに比べるとまだまだ小さく、価格の乱高下も激しい一面もありますが、イーサリアムから一定数の資金が流れているのは事実です。
ソラナ(SOL)の2021年から現在までの週足です。2021年初頭の約2ドルから比べると11月の最高値圏では約100倍以上で推移していました。現在は約100ドル(約50倍圏内)で推移しています。アバランチ、ソラナは2021年イーサ・キラーとして市場をにぎわせました。これらのトークンを「レイヤー1」と呼ぶこともあります。
イーサリアムの今後の対応
プルーフ・オブ・ワークス(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)への移行
イーサ・キラーである「アバランチ」や「ソラナ」がプルーフ・オブ・ステークというアルゴリズムを実装することでガス代を抑えているのなら、イーサリアムもプルーフ・オブ・ステークを実装すればいいじゃん。って単純に思いますよね?
実はもうやっているのんです。・・・と言うよりやろうとしているんです。
このPoW→PoSへの移行は非常に困難で、例えるなら「飛んでる飛行機の羽を飛んだまま取り換える」くらい難しいのだとか。。移行には4つのフェーズを設けており、現在は最終フェーズの段階で、2022年中にはフェーズは全て完了する予定とされています。
この、プルーフ・オブ・ステークに移行したイーサリアムを「イーサリアム2.0」と呼ぶこともあります。
補足:創始者であるヴィタリック・ブテリン氏はイーサリアム1.0も2.0もひっくるめて「イーサリアム」と呼びましょうと呼びかけています。要は「2.0」を区別するのはやめようや~ってことみたいです。
この図は2021年の「値上げ率」のランキングです。赤線はいわゆる「イーサ・キラー」のトークンです。「イーサリアム」から「イーサ・キラー」への資金流入がわかります。
赤線のトークンは全てPoSであり、PoWのイーサリアムの「ガス代の高騰」に対する投資家のストレスが高いことが伺えます。
しかしそれは裏返すと、イーサリアムがPoSを実装したら、イーサ・キラーからの資金が再び流入しそうと言うことを容易に連想させます。
プルーフ・オブ・ステークって何?
それでは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)とは何なのでしょうか。
仮想通貨は「ブロック・チェーン」と言う、暗号技術をベースに成り立っています。「ブロック・チェーン」とは「情報の入れ物であるブロック」が「ハッシュ値と言われるチェーン」で繋がれたデータベースのようなもの、と定義づけられます。
この「情報の入れ物であるブロック」の作りかたの違いがPoWとPoSです。
PoWの場合
「早い者勝ち」です。ブロックの製造には「前のブロック」と紐づける「チェーン」が必要なのですが、そのチェーンを全世界で最初に見つけた人が新しいブロックを作る権利を得ます。
そのチェーンのことを「ハッシュ値」と言うのですが、その「ハッシュ値」を世界で最初に見つけるにはモンスターマシンとそれを動かす膨大な電力量が必要です。つまりコストが掛かる。コストが掛かるから「ガス代」が高騰する。環境にも悪いし、投資家としては財布にも優しくない。
かなりディスってますがこれがPoWです。
関連記事→ブロックチェーンって何なの?
PoSの場合
PoWが不特定多数の参加者による「早いもの順」だったの対し、PoSは「選択された人が次のブロックを作る権利を得る」仕組みです。
「権利を得るための選択される条件」は「その仮想通貨の保有量と保有時間」です。つまり、「イーサを長い時間、持っていれば持っているほどその人が選択される可能性が高い」ってことになります。
競争ではなく、イーサをより多く長い時間持っている人が次のブロックを作る権利を得る。
実際には基準以上のイーサを持った「マイナーリスト」の中からランダムに決めて権利を持たせるようなアルゴリズムになっているようです。
個人を指定してマイニングした場合の不正リスクのヘッジは、自分が不正をした場合に起こる「イーサの価格下落」を根拠にしています。
権利は多くのイーサを持っている人に付与されますので、自分の不正がバレたときに起こり得る暴落というリスクを冒してまで不正をするバカはいないだろって理屈です。
なんにせよ、競争ではなく、(恐らく)AIが指定して権利を持たせる形です。マイニングで稼働するPCは劇的に減りますので消費電力も激減します。
さらにマイナーも競争に負けるなどの無駄な労力や電力を消費しなくて済み、効率的に報酬を得ることができるので、必然的に「ガス代」も下がっていきます。
イーサリアムの価格予想
ARKインベストは10年以内にイーサは17万~18万ドルになると予測しています。
現在3000ドルなので約56倍になるってことを言っています。。10年で56倍ってことは2022年の年末は10,000ドルくらいになってるはずだけど、、、これは1つの超強気な意見として。。
これは2021年から2022年2月までのイーサの週足です。赤点線の間のチャンネルで推移すると仮定すると、僕の予想は・・・
2022年は高値68万、引け値55万と予測します
テクニカルも何もあったもんじゃなく、なんとなくの見た目です。。。
基本僕は「ガチホ」なので、高値も引け値も実はあんまり関係ありません。
5年後、イーサにベットしておいて良かった~と思えたらOK。そうなる確信に近い思いは持っています。でも、投資なので「投資は自己責任」でお願いします。
この価格はまったく根拠のない「ざれ言」と理解しましょう^^
まとめ
イーサリアムには「ガス代の高騰」と言う課題があり、それが故に、PoSを実現している「イーサキラー」に資金が流出してしまっています。
その改善策としてPoSを実装する「イーサリアム2.0」を目論んでおり、それは2022年中には完了予定。PoSを実装できれは投資家からの資金流入が期待されるので、そのアップデートには注目が必要。
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