- 海外取引所の税金計算がめんどくさすぎる
- やっぱり有料サービスに頼まないとダメ?
こんにちは。ロクマです。
今回はこんな悩みと疑問にお答えします。
海外取引所は国内と違い、為替がからむので、税金計算に悩んでいる人も多いのでは無いでしょうか。
だけど、有料サービスや専門家に頼むのはちょっと待ってください。
この記事にある無料ツールと、税金の基本さえしっかり押さえていたら誰でも自力で確定申告まで持っていけます。
レバレッジ、レンディング・ステーキングに加えNFTの税金計算と確定申告にも触れますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 2021年10月から仮想通貨投資を始め
- それからNFTやSTEPN、Defiなどを体験
- 令和4年分から確定申告書を自力で提出
- 仮想通貨の税金に関する記事多数
- STEPNの税金管理シートを無料公開
日本で完全無料で取引できるのはBITPOINTだけ。
100万元手だと、他社より1,000円から60,000円のコストカットができます。
※詳しくは下の記事からどうぞ
免責
筆者は税理士などの国家資格は持っていません。
国税庁の「暗号資産に関する税務上の取り扱い」を主に参照して当記事を書いていますが、税務署からの指摘に対して責任を負える訳ではありません。
不安に思うところは、事前に税務署や税理士に相談してください。
海外取引所の税金計算の基本
まず、海外取引所の税金計算で押さえておきたいのは、国内取引所との違いです。
海外取引所と国内取引所の税計算で、最も違うのは国内は日本円で取引するのに対して、海外はステーブルコインで取引する点です。
つまり、海外は仮想通貨どうしの交換
国内で仮想通貨を買っても、それを売るまでは税金は発生しませんが、海外の場合は買った段階で税金が発生します。
どうして仮想通貨どうしの交換で税金が発生するか、次のパートで説明します。
仮想通貨どうしの交換は課税対象
なぜ、仮想通貨どうしの交換で税金が発生するかと言うと、交換は次のように分解されるからです。
①仮想通貨を売って日本円を取得し、
②その日本円で新しい仮想通貨を購入した
①で仮想通貨を売っているので、仮想通貨どうしの交換は税金の対象になります。
■具体例
この取引は次のように分解されます
①20,000 USDTを260万円で売った
②その260万円で1BTCを買った
①で20000 USDTを売っているので、この部分が課税対象です。
仮に、130円で売ったUSDTを120円の時に 20,000 USDT 取得していたとすると、課税対象は20万円です。(130-120)x20,000
このように、仮想通貨を売って、新しい仮想通貨を買ったと分解されるのが、仮想通貨の交換が課税対象となる理由です。
課税のタイミングに関しては、下の記事により詳しい解説があります↓
【仮想通貨の税金】『3つ』のポイント|ここだけ押さえておけばOK
損益管理の方法
ここからは、実際にどう損益管理すれば良いかを具体例で説明します。
国内取引所でリップル(XRP)を買い、海外に送金してからBTCを買う、と言う一般的な一連の流れを損益管理します。
- 1/1国内で50,000 XRPを250万円で購入(単価50円)
- 1/2この50,000 XRPを海外に送金
- 1/350,000 XRPを20,000 USDTで売却($=130円)
- 1/420,000 USDTで1BTC購入($=132円)
まずは、海外取引は仮想通貨どうしの交換なので、分解して記帳します。
日付 | 取引所 | 仮想通貨名 | 区分 | 数量 | 単価 | 日本円価額 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1/1 | 国内 | XRP | 買い | 50,000 | 50 | 2,500,000 | |
1/2 | 送金 | 送金は税計算 対象外 | |||||
1/3 | 海外 | XRP | 売り | 50,000 | 50 | 2,600,000 | |
USDT | 買い | 20,000 | 130 | 2,600,000 | | ||
1/4 | 海外 | USDT | 売り | 20,000 | 132 | 2,640,000 | |
BTC | 買い | 1 | 2,640,000 | 2,640,000 | | ||
この記帳を銘柄ごとに分けると、計算しやすくなります。
■XRP
日付 | 取引所 | 区分 | 数量 | 単価 | 価額 | 損益 |
---|---|---|---|---|---|---|
1/1 | 国内 | 買い | 50,000 | 50 | 2,500,000 | |
1/3 | 海外 | 売り | 50,000 | 52 | 2,600,000 | +100,000 |
■USDT
日付 | 取引所 | 区分 | 数量 | 単価 | 価額 | 損益 |
---|---|---|---|---|---|---|
1/3 | 海外 | 買い | 20,000 | 130 | 2,600,000 | |
1/4 | 海外 | 売り | 20,000 | 132 | 2,640,000 | +40,000 |
■BTC
日付 | 取引所 | 区分 | 数量 | 単価 | 価額 | 損益 |
---|---|---|---|---|---|---|
1/4 | 海外 | 買い | 1 | 2,640,000 | 2,640,000 | |
感覚的には、国内でXRPを買って、それを海外でBTCに両替しただけなので、所得は発生していないように思います。
しかし、このように細分化して損益管理することで、14万円も利益が発生していることがわかります。(赤文字の100,000円+40,000円)
海外取引所の税金計算【各種ツール】
海外取引所を損益管理し、税金を計算して確定申告まで簡単にできるツールを作りました。
確定申告までのイメージは下の画像の通りです。
②の国税庁公式「暗号資産の計算書」は確定申告するには、非常に便利なエクセルです。
しかし、これだけでは日常的に損益を管理することができないなどの不便な面もあったので、それを補足するためにに②と③を作りました。
リンクとダウンロード
それぞれのツールのリンクとダウンロードです。
①損益管理ツール
②暗号資産の計算書(国税庁)
下の国税庁のホームページから「暗号資産の計算書(総平均法用)」をダウンロードしてください。(暗号資産の計算書(移動平均法用)では無いので注意)
Googleスプレッド版は、国税庁のホームページにはエクセルしか無いので作ったものです。
エクセルをそのままGoogleスプレッドに変えて体裁を整えただけなので、計算式などは完全一致しています。
③暗号資産の計算書の取りまとめ
④確定申告をする
国税庁の確定申告書作成コーナーは下のリンクから行けます。
エクセル版とGoogleスプレッド版
エクセル版もGoogleスプレッド版も内容は同一です。
エクセル版
エクセル版を使用するにはMicrosoftのエクセルが使える環境が必要です。
エクセルが使えるならこちらをお選びください。
手順:リンクを開き、「ファイル」から「ダウンロード」することで使用できるうようになります。
Googleスプレッド版
Googleスプレッド版を使用するにはGoogleアカウントが必要です。
リンクから開いた状態は「閲覧のみ可能」で編集ができないので、自分のアカウントにコピーを作ってください。
自分のアカウントにコピーされたスプレッドシートは編集可能です。
なお、コピーをするためにはGoogleアカウントが必要です。
手順:スプレッドを開いたら「ファイル」から「コピーを作成」をクリックする
Microsoftのエクセルは有料だけど、Googleアカウントは無料なので、まだ持っていない人はこれを機にGoogleアカウントの導入を検討してみてください。
税金計算各種ツールの使い方
ここからは、各種ツールの具体的な使い方を、画像中心で解説していきます。
損益管理ツール
まずは日々の取引を記録する損益管理ツールです。
①~④の4つのパートで説明します。
↓損益ツールのダウンロード
①日付など
取引所名 | 複数の取引所があるがある場合、 取引所ごとに新しいファイルを作る | |
日付 | 取引した日付 | |
ドル/円(為替) | その日のドル価格(終値)を入力 >>時系列データ |
②購入欄
銘柄 | 購入した銘柄 | |
数量 | 購入した数量 | |
単価(ドル) | 購入したドル単価 | |
価格(ドル) | ※自動計算 | |
価格(円) | ※自動計算 | |
③売却欄
銘柄 | 売却した銘柄 | |
数量 | 売却した数量 | |
単価(ドル) | 売却したドル単価 | |
価格(ドル) | ※自動計算 | |
価格(円) | ※自動計算 | |
④手数料
ドル | 手数料が発生した場合 ドル価格を入力 | |
円価格 | ※自動計算 | |
取引の入力をしたら、次の画像のように、確定申告に必要な情報が「集計ページ」に表示されます。
暗号資産の計算書(国税庁公式)
損益管理ツールの集計ページから、暗号資産の計算書(国税庁公式)に下の画像のように転記します。
■転記する内容
線の色 | ||
---|---|---|
赤 | 取引所 | |
青 | 仮想通貨の銘柄 | |
黒 | 購入・売却それぞれの数量と金額 | |
転記が完了すると、国税庁の「暗号資産の計算書」の下の方に、収入金額計と必要経費計が表示されます。
今度はこれを次のステップ、「暗号資産の計算書(とりまとめ)」に転記します。
↓暗号資産の計算書ダウンロード
※エクセル版は総平均法をダウンロードしてください
暗号資産の計算書(とりまとめ)
国税庁の暗号資産の計算書は、銘柄ごとにページが分れるので、それを取りまとめるツールを作りました。下の画像がイメージです。
計算書①、計算書②、計算書③・・・の最下部にある収益金額計、必要費用計を入れて行きます。(上の画像で「転記するのはこれだけ」とあるとことろ)
画像では例として計算書①がビットコイン、計算書②がイーサリアム、計算書③がリップルとしています。
計算書①~③を実際に入れたのが下の画像です。
確定申告に必要なのは、合計欄の収入金額計と必要経費計のみです(赤枠箇所)
↓暗号資産の計算書とりまとめダウンロード
確定申告をする
最後に、「暗号資産の計算書(とりまとめ)」で算出した収入金額計と必要経費計を確定申告します。
まずは、国税庁の確定申告書等作成コーナーに行きます。
次の流れで進みます
作成開始
↓
印刷して提出
↓
「利用規約に同意して次へ」ボタン
↓
プルダウンから「所得税」をクリック
↓
必要箇所を入れて行き「収入金額・所得金額の入力」ページまで進む
↓
雑所得 業務/その他欄の「入力する」ボタンを押す
上の手順で進むと、仮想通貨の申告画面になるので、暗号資産の計算書(とりまとめ)で算出した収入金額計と必要経費計を入力したらOKです。
そのまま、ガイダンスに沿って進めると、確定申告書を印刷するページまで行くことができます。
例のケースの納税額は16万6千円弱でした。
確定申告のしかたは下の記事により細かく書いてあります。
詳しく知りたい人は、下のリンクをクリックしてください。
>>【仮想通貨の確定申告】元サラリーマンの自分でもできた|書き方・やり方
レバレッジ取引の税金計算
これまでは通常取引の税金計算についてでしたが、ここからはレバレッジの税金計算と確定申告のしかたを解説します。
レバレッジの税金計算と確定申告は次の2つを押さえておけばOKです。
- 確定損益
- 手数料
レバレッジ税金計算【確定損益】
下のようなバレッジ取引記録の場合、ドル=130円だとすると損益は3,250円となります。(損益25x130ドル)
ペア | 区分 | 参入日付 | 参入数量 | 参入価格 | 決済日付 | 決済数量 | 決済価格 | 損益 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ETHUSDT | ショート | 2023/1/1 | 3.0 | 1,300 | 2023/1/2 | 3.0 | 1,310 | 25 | |
このように、レバレッジ損益の税計算は、決済日の為替価格と確定損益を掛け合わせて、日本円の損益を算出します。
必要なのは確定損益と為替だけなので、税計算する上では参入価格や数量などは必要ありません。
レバレッジ税金計算【手数料】
海外取引所のレバレッジの手数料は、取引記録から自力で計算するケースが多いです。
もう一度同じ例を見てみます
ペア | 区分 | 参入日付 | 参入数量 | 参入価格 | 決済日付 | 決済数量 | 決済価格 | 損益 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ETHUSDT | ショート | 2023/1/1 | 3.0 | 1,300 | 2023/1/2 | 3.0 | 1,310 | 25 | |
本来であれば確定損益は+30ですが、実際は+25になっています。
なので、手数料は5ドルになります。下が算出方法です。
■本来の確定損益
(決済価格-参入価格) x 決済数量 = 確定損益
(1,310-1,300) x 3 = 30
■実際の損益
25(表の一番右)
■手数料
本来の確定損益-実際の損益
30-25=5ドル
このように、手数料に関しては取引記録から自力で計算しないといけないケースがあるので注意してください。
手数料金額x税率がそのまま税額減なので、ぜひ確認してみてください。
取引量が太い人は特に要チェックです
レバレッジの確定申告のしかた
レバレッジの確定申告は、算出した確定損益と手数料を国税庁の暗号資産の計算書に入力すれば、スムーズにできます。
画像のように、レバレッジの確定利益・確定損失・手数料を国税庁の暗号資産の計算書に入力すると、最下部の収入金額と必要経費に反映します。
その後の流れは
となります。
レンディング・ステーキングの税金計算
レンディング・ステーキングは、金利を得た時点で税金計算するということを押さえていればOKです。
■具体例
1/31 BTC 0.001 レンディングの金利を取得
※この日のBTCレートは300万円
このケースの利益額は3000円となり、これが課税対象となります。(0.001×300万円)
レンディング・ステーキングの確定申告のしかた
レンディング、ステーキングの確定申告のしかたも、基本、レバレッジ同様です。
国税庁の暗号資産の計算書に入力すれば、スムーズにできます。
取得金利(日本円換算)を入れ、手数料があれば同じく日本円換算額を入れれば、最下部の収入金額と必要経費に反映します。
送金手数料など有れば忘れることなく入れましょう!!
その後の流れはレバレッジ同様、下記のようになります。
NFTの税金計算
NFTの売買による所得の税金計算は、すべて日本円換算することでクリアします。
下の具体例をご覧ください。
例)
10ETHでNFT、●●●を1体買った。
後日そのNFTを12ETHで売った
※1ETH=13万円で値動きせず
この一連の取引を、下のように分解します。
日付 | 内容 | 数量 | 金額 |
---|---|---|---|
1/1 | ETH売り | 10ETH | 1,300,000円 |
NFT買い | 1体 | 1,300,000円 | |
2/1 | NFT売り | 1体 | 1,560,000円 |
ETH買い | 12ETH | 1,560,000円 |
これを、下のよう種類ごとに分解して整理します。
■ETH
日付 | 内容 | 数量 | 金額 |
---|---|---|---|
1/1 | 売り | 10ETH | 1,300,000円 |
2/1 | 買い | 12ETH | 1,560,000円 |
■NFT
NFT名 | 購入価格 | 売却価格 | 売買損益 |
---|---|---|---|
●●● | 1,300,000円 | 1,560,000円 | +260,000 |
このように、NETの購入価格と売却価格をその時点の日本円に換算して損益を算出します。
※この例だと損益は+26万円
なお、ETHの分は通常の仮想通貨の売買として処理します。
NFTの確定申告のしかた
NFTの確定申告のしかたも、レバレッジやレンディング同様、国税庁の暗号資産の計算書に入力すれば、スムーズにできます。
NFTの売買損益と手数料を入れれば、最下部の収入金額と必要経費に反映します。
その後の流れはレバレッジ同様、下記のようになります。
まとめ:海外取引所の税金計算・確定申告
今回は以下の内容を解説しました。
税金の基本さえ押さえておけば、無料ツールを使って誰でも海外取引所の税金計算から確定申告まで持って行くことができます。
基本を押さえるのは面倒くさいかもですが、有料ツールや専門家に頼むことを考えれば安いものかもしれません。ぜひ検討してみてください。
この記事が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
それではまた!!
↓関連記事↓
BITPOINTは手数料が無料
■元手100万の支払手数料の比較
ETH | BTC | ||
---|---|---|---|
BITPOINT | 無料 | 無料 | |
CoinCheck | 61,407円 | 1,970円 | |
bitFlyer | 4,170円 | 4,370円 | |
GMOコイン | 1,000円 | 1,000円 | |
BITBANK | 4,170円 | 4,970円 | |
Huobi Japan | 4,730円 | 1,830円 | |
DMM Bitcoin | 28,000円 | 28,000円 | |
※bitFlyerの売買手数料は、直近1カ月の取引量が100万円として計算
※仮想通貨の出金手数料はBTC=300万/ETH=20万/XRP=50円で計算
これは、100万円の元手でスタートした場合の、各社に支払う手数料の比較です。
忖度を全て排除し、徹底的にユーザー目線で作った比較表です。
完全無料なのはBITPOINTだけ
web広しと言えど、なかなかこんな表は無いはず。
詳細は下の記事で確認できます。
コメント